年金2,000万不足問題の報告書、報道されていない、報告書の本当の内容。誤解してませんか?

2000万問題

「人生100年時代」年金だけでは2,000万円不足します。

と報道され、デモや、政治批判、報告書を受け取らない。謎な対応がおおいわけですが、改めて報告書を読んで見ると、ものすごく全うな内容でした。

一体、そもそもこの報道を受けて、報告書を読んだヒトが何人いるのだろうか?

ただ、2,000万足りない!年金制度どうなってるんだ!とか、それを野党が批判しているとか、麻生さんが受け取らないとか、内容よりも、この報告書がもたらした影響ばかりに目がいってるように思います。

中身を見ていないヒトのために、内容を要約しておきます。

年金2,000万問題の報告書 タイトルは

報告書のタイトル

老後資金が2,000万円不足する問題を指摘したことになっている報告書のタイトルは、以下です。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

老後資金を試算して、足りない!というための報告書ではなく、高齢化社会に適した資産形成や資産管理の方法を考えて提唱している報告書なんです。

原文を確認したい方のために、リンクを貼っておきます。

参考 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」金融庁

年金2,000万問題の報告書 結論は

報告書の結論

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の結論をものすごく簡単に言うと、以下のような表現になります。

「資産運用をして資産を増やしましょう」そのために、個人も金融サービスも行政も、変わらないといけないですよ。

具体的な結論は

結論は大きく3つにわかれます。

  • 個々人にとっての資産の形成・管理での心構え
  • 金融サービスのあり方
  • 環境整備(行政機関や業界団体への提言

高齢化社会を個人として、どう資産形成をしていくべきかが3つの時期に分けて書かれています。

個々人にとっての資産の形成・管理の心構え
  1. 現役期
  2. リタイヤ期前後
  3. 高齢期

個人の資産形成が、高齢化社会に対応して、変わっていくので、それに伴って、サービス提供側である、金融サービスも変わらなければいけません。

個人向けと同じように3つで対応すべきことが書かれています。

金融サービスのあり方
  1. 現役期の顧客への対応
  2. リタイヤ期前後の顧客への対応
  3. 高齢期の顧客への対応

最後に、個人の資産運用、金融サービスのサービス提供が高齢化社会に適応したものになるように、環境整備するように、行政機関と業界団体に向けて、4つのポイントが書かれています。

環境整備
  1. 資産形成・資産継承制度の充実
  2. 金融リテラシーの向上
  3. アドバイザーの充実
  4. 高齢顧客保護のあり方

年金2,000万問題の報告書 この結論にいたった理由は

結論の理由

高齢化社会になり、寿命が伸びるので、資産寿命も伸ばしていかないといけない、資産寿命を延ばす方法として、「現役で働く機関を延ばす」「生活費の節約」を上げる回答が多い。

他にも、「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」という回答があるが、実際に投資をして、資産運用をしていないヒトが多い。

投資をしない理由に、「まとまった資金がない」「投資に関する知識がない」「どのようにあ有価証券を購入したらよいのかわからない」という回答が多い。

この状況から、次の3点の課題が見えてきます。

投資していない個人にも課題がある

顧客側(個人)のニーズと悩みに答えられていない金融機関

投資を資産寿命を延ばす手段として活用するには環境整備が必要

この3点への解決策の提案が報告書が、出した結論です。老後資金が2,000万不足することを報告しているのではありません。

年金2,000万問題の報告書 不足2,000万の記載部分

2000万の記載

報告書では、長期的な投資をしていくために、個人、金融機関、行政機関がそれぞれ変わらなければいけない。と書いてあります。

今回問題になった、老後資金2,000万不足の部分についての記載は、下記のように書かれています。

夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20~30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300 万円~2,000万円になる。

この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。

当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

足りなくなる可能性もあるので、準備しておきましょうね。という程度で、しかも、リスクとしては認知症になることも考えられるので、働き続けられない可能性もあります。

だから、長期的な投資による資産形成をしていきましょう!という報告書でした。

年金2,000万問題の報告書 まとめ

2000万のまとめ

この報告書に改めて目を通してみて、この報告書はものすごくまっとうな内容であり、国民・金融機関・行政が同じ課題の解決に向きあうきっかけになる内容だと思います。

現実には表層的な報道も、デモをしているヒト達も、野党も、麻生太郎も、まっとうな報告書をまとめ、現実を突きつけてくれているのに、目をそむけている状況です。

日々忙しく、詳しく中身を見る時間はないかもしれませんが、マスコミが報道シている内容を鵜呑みにしないで、問題の本質を見ないと、未来が暗くなってしまう国になってきてしまっています。

報告書の原文を読むきっかけになった記事は、レオスキャピタルワークスの藤野英人さんのこの記事でした。参考にどうぞ。

参考 老後2000万円問題、日本全国で「ある勘違い」が蔓延しているワケマネー現代

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