2019年8月8日の「カンブリア宮殿」に出演するオンデーズ社長 田中修治さんの著書、破天荒フェニックスのあらすじと感想です。
「世界が輝いて見える!」
オンデーズで初めて購入したメガネをかけた感想です。
「破天荒フェニックス」のサブタイトルは「オンデーズ再生物語」。メガネチェーンのオンデーズ(OWNDAYS)が再生していく物語です。
本を読み終えて、どうしてもオンデーズのメガネが欲しくなり買いにいきました。
オンデーズのお店があるショッピングモールから、一歩、外へ出た時の素直な感想が、「世界が輝いて見える!」でした。
夏の強い日差しを浴びた、街路樹の葉が、見たことがないほど鮮やかな緑色をしているように見えました。
風が吹くたびに葉が揺れてキラキラと輝いて、日常のありふれた光景が、今までとまるっきり違って見えるほど、僕はその光景に感動を覚えました。
(破天荒フェニックスに影響されているというフィルターの影響は計り知れません)
この本の感想をシンプルに一言で表現すると、「めっちゃ感動した」です。死ぬまで持っておきたい本が増えました。
本を読んでる間、ハンカチが手放せないほど、なんども感動して泣いてしまいました。
「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語」は、2008年からの7年間を実話をもとに書かれた小説です。
この実話をもとにという部分に勝手な考察をページ最後に記載しています。
ビジネス小説として、傑作の1つに入る素晴らしい作品です。
目次
破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 あらすじ ネタバレなし
一言で物語を説明する別のタイトルを付けると下のタイトルになります。
「売上20億・負債14億の会社の借金返済物語」
サブタイトルは、物語のもう一つの側面。
「覚悟ある経営者が、仲間に出会うリアルRPG」
物語のスタートは、小さなデザイン会社を経営する田中修治(以下、田中さん)が倒産寸前のメガネチェーン「オンデーズ」を買収するところからはじまります。
買収に関わっているもう一人のキーマン「奥野さん」も、意外なことがきっかけで本気で関わることになります。
ここは、最初に胸が熱くなるポイントです。
田中さんと、奥野さんの二人を中心として物語が進んでいきます。
何度も資金繰りに苦労しながら、改革を進め、倒産寸前のオンデーズが再生していく中で、信頼、裏切り、裏切り、裏切り、期待、応援、ピンチ、ピンチ、ピンチ、ピンチの連続です。
企業再生はこんなに大変なのか!と興味津々になります。
ネタバレありの、あらすじはページ下部をご覧ください。見たくないかたのために見たい人だけ、クリックすれば閲覧できるようにしてあります。
破天荒フェニックス 書評・レビュー
本を読みながら、その瞬間の感想をツイートで発信していました。
ツイートすると、ほぼすべてのツイートに田中さんや、奥野さん、オンデーズの関係の方が、いいね!してくれてビックリしましたが、嬉しかったです。
物語 前半の書評・レビュー
ストーリーの大筋が、借金返済で、資金繰りに関する記述がものすごくリアルです。
後日、田中さんがおっしゃっていますが、この物語を書いた理由のひとつに、「大変だった頃のことを、従業員に知ってほしいと思った」と語っています。
出版に至る経緯については別の理由もあったようです。
資金繰りで切羽詰まる状況なのが、リアルに伝わってきてハラハラ・ドキドキします。
そんな苦境の中で、素晴らしい出会いがあり、苦しい状況に、明るい光が垣間見えます。
今は、しんどいけど、これから良くなりそう!と、今後の展開が気になって一気に物語にのめり込んでいってしまいました。
資金繰りや会社の財務に関しての知識がなくても、もちろん楽しめます。
少し会社の財務について学びたい方は、幹部はみんな知っている財務・会計の基礎知識が3分でわかるも参考にしてみてください。
物語 中盤の書評・レビュー
資金がショートしかけている時に、田中さんがどれだけ従業員を大切にしているかがわかる言葉が随所に出てきます。
「コストカットの大前提に、授業員の解雇や賃金カットを置いたら絶対にダメだ。そんなことをしたら、立ち直れるものも立ち直れなくなる。」
破天荒フェニックス
田中さんは、働く「人」をとても大切にしています。
20億の売上で14億の借金があって、どんなに倒産しそうでヤバイ状況でも、ブレることがありません。
世の中には、予算未達成になるから、従業員の給料を調整するようなことをする会社もある中、田中さんは絶対にそれはしない!という決意でした。
この考え方は、自然と従業員さんとの接し方ににじみ出ているので従業員さんに伝わっていると想像するのは難しくありません。
マネジメントの役割で最も重要なことは人材育成。考え方とポイントを3分でマスター【中級】の記事でも触れていますが、「人」を育てるには、上司のマネジメントの考え方を変えないといけません。
人を大切にしていない会社に在籍していると不幸になってしまいます。仕事の楽しさも、実績も、結果も、経験も、なにも身につかないです。
転職を考える時には、年収を上げる失敗しない転職活動のタイミング【転職テクニック】も考えると、転職が成功する確率があがります。
物語が後半に差し掛かっていくにあたり、様々なドラマが生まれています。
その中で、もっとも印象深いのは、東日本大震災での、ボランティア活動です。
被災地でメガネを無料で提供する取り組みをしていましたが、そこでのエピソードは、メガネがよく見えるだけのツールではなく、「意義がある」ことに気付かされます。
オンデーズはこの時に気づいた、メガネを売ることに対する意義を今も、大切にしています。
このボランティアは、現在も世界で継続していることがその証明です。
東日本大震災をきっかけに、オンデーズに強い意思が込もったと感じました。
また、序盤に改革スタートの象徴となっていたキャラクター「高橋部長」との思わぬ形での別れ・・・
このあたりは、涙腺がゆるゆるでもはや泣くために読んでいるかのようになっていました。
仕事をするにあたっての「意義」の大切さについては書評『ニュータイプの時代』要約・レビュー 著者の山口周もおっしゃっています。
世界的な学者のリンダグラットンも、著書書評『ライフシフト 100年時代の人生戦略』要約・レビュー の中で、これからの生き方には意義が必要と書かれています。
物語 終盤の書評・レビュー
沖縄での、新店舗オープンについてのエピソード。応援してくれる経営者とのエピソード。
このあたりから、経営者としての決断の早さや、考えがブレない田中さんの人間としての魅力に、ものすごく惚れこんでいきます。
京セラ、KDDIの創業者の稲盛さんの著書書評『心。人生を意のままにする力』要約・レビュー 著:稲盛和夫で説かれていることを、田中さんは体現されていると感じます。
読了後 書評・レビュー
この本から学ぶことは、たくさんありました。
その中で一つをあげるとしたら、「覚悟」の大切さと影響力です。
「やってやる!やってみせる!もう後がない!やるしかない!」
いろんな感情がその時その時にあったと思いますが、一つひとつの出来事で、田中さんとCFOの「覚悟の強さ」を感じます。
その覚悟が、従業員を巻き込み、取引先を動かし、応援してくれる人を増やしていきます。
でも、この覚悟の強さを持つ、二人のかっこよさとは対象的に、カッコ悪い人も登場します。
そのカッコ悪さは、そんじょそこらのカッコ悪さではありません。圧倒的なカッコ悪さです。
「人を裏切る」カッコ悪さです。
でも、その一つひとつの裏切りを、学びに変えて成長していく田中さんの懐の深さと前向きさに、どんどん惹きつけられます。
破天荒フェニックス ちょっと立ち読みコーナー

メガネまみれの表紙


約500ページで分厚いです。一般的なビジネス書は250ページ程度が主流なので、その2倍です。

弘兼憲史さんは「島耕作」シリーズを書いている漫画家です。
西野亮廣さんは、漫才コンビのキングコングで、絵本作家でもあります。
すごい方が帯を書いています。

- 倒れる時は前向きに!
- 目立ったもん勝ち!
- 火事を消すなら爆弾を!
この3つの言葉は好きですね、この言葉が出てくるシーンを思い出すとドキドキ・ワクワクします。

田中さんの略歴とオンデーズの出版時の概要が記載されています。
破天荒フェニックス 書評・レビュー まとめ
読了した後は、すっかりオンデーズと田中さんのファンになりました。
それが、この本を出版した目論見通りであったとしても、それでも心地よいほど、どっぷりとファンになりました。
企業再生をした経営者自身が、そのストーリーで書籍を出すことは少ないです。
コンサルの人が、出版することはあります。その代表は三枝匡さんが有名です。
経営者自身が出すことは珍しいです。しかも、倒産寸前から買収してスタートする物語は読んだことがありませんでした。
会社員として働いている人は経営陣がどのような課題を感じているのか?に気づくきっかけになります。
経営陣にとっては、経営の成功事例の哲学を学ぶことが出来ます。
ビジネスパーソンにはぜひ読んでもらいたい一冊です。心からオススメできる小説です。
余談ですが、起業してからの物語では、サイバーエージェントの藤田社長の「渋谷で働く社長の告白」がオススメです。
起業するまでの、ストーリーでは、書評『人生の勝算』要約・レビュー 著:前田裕二が面白かったです。
オンデーズとは?
「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語」が発売されるまで、オンデーズを知らなかったです。
表紙を見れば、メガネチェーンなんだなとはすぐにわかりますが、それ以上はしりませんでした。
メガネチェーンはJINSとZoff、その他老舗チェーン程度の認識でした。
Zoffがスタートさせた3プライスメガネチェーンの1つがオンデーズでした。
2019年7月時点では、業界1位のJINSに次ぐ、業界2位のメガネチェーンに急成長しています。
今後5年以内にはJINSを抜いている可能性が高いです。
オンデーズの店舗数は?
オンデーズは2008年当時、全国に60店舗を展開する売上20億円のメガネチェーンでした。
2019年7月現在、世界12カ国に店舗300店舗を展開している大手メガネチェーン。資本金は約10億円。
ちなみに、業界最大手のJINSは世界5カ国で550店舗展開している。(中国と日本国内で強い)Zoffは250店舗(マイナビ2020より)
店舗数でzoffを抜いて、JINSを猛追しています。
将来的には世界一になると思います。
10年で60店舗から300店舗になっています。店舗数5倍!
あと3年で200店舗増やし、500店舗にするとリリースを出しています。
参考 【OWNDAYS | オンデーズ】全世界300店舗達成!6月27日(木)、サンエー浦添西海岸 PARCO CITYにOPEN!PRTIMES商品やお店の特長


OWNDAYSというお店は、商品コンセプトに合わせてそれぞれブランドがあります。上の画像がそのブランド一覧です。(2019年8月時点)
おじさんから言わせると、「いま風でオシャレ」なメガネがいっぱいあります。
でも、お店は不思議と入りやすいです。
オシャレなんですけど、入りやすいです。お店が明るいからかもしれません。
メガネをかけている人はわかると思いますが、非球面レンズ 0円!追加料金なしの良心的な価格設定です。
この戦略についての裏話も物語にでてきます。それはそれは苦しい決断が裏にはありました。
充実の保証内容
まるで生命保険のようなタイトルですが、本当に充実しているので仕方ないです。
- 返品保証:
購入から1ヶ月理由を問わず返品、返金可能 - 見え方保証:
1年間に2回まで無料で見え方が合わない場合は、レンズ交換OK
遠近両用レンズに慣れない場合は、2ヶ月以内のレンズ交換OK
カラーレンズが合わない場合は、2ヶ月以内のレンズ交換OK
視力測定・コンサルはいつでも、どこでも、何度でも無料 - 品質保証:
1年間に通常使用で故障した場合、交換修理が無料
クリーニング・フィッティング・メンテナンスはいつでも何度でも無料 - もしもの保証:
災害・盗難・事故でメガネを紛失・破損した場合、無償で同じ商品へ交換
もし、自分で壊してしまっても50%OFFで、もう一度購入OK - その他の保証:
上記の保証は全世界のOWNDAYSの店舗でOK
メガネを購入して、お店を出る時に、「またいつでも来てくださいね」と言ってくれる店員さんがいました。
商品や、保証に自信がないと言えない言葉です。
ステキな商品、サービスを支える従業員いるオンデーズは、これからの出店ペースはさらに加速していきます。
それは、物語を最後まで読んだから言い切れます。
破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 あらすじ ネタバレあり

小説ぎらいの僕が、破天荒フェニックスを読んだわけ
僕は、もともとビジネス小説が苦手です。苦手な理由は2つ。
- 飛ばし読み出来ない
- フィクションであること
ビジネス書は要点がつかめれば、具体的な例え話の部分は飛ばしても、理解できます。
でも、小説は飛ばし読みをするとストーリーやエピソードがわからなくなってしまうので、飛ばして読めません。つまり時間がかかります。
小説はフィクションであることが多く、あえて悪い表現を使うと「作り話」です。
「作り話」に時間をとられてしまうのが、僕の小説のイメージです。映画は好きなくせによくわからない理論ですが、そう思っていました。
ちょっと疲れたので、漫画でも読もうかなと思った方にオススメをまとめました。↓ビジネスに役立つおすすめ漫画9選
破天荒フェニックスは実話なのか?

個人の憶測ですが、ほぼ全て実話だと思います。小説としている理由はいくつか推測してみました。
- 悪者が登場する→実名が出せない
- 記憶が曖昧なので、実話と言い切ることができない部分がある
- 感動するストーリーのために、多少脚色している
この3点が、実話と言い切らない理由だと勝手に僕は思っています。ほとんど実話と捉えて問題ないと思います。
破天荒フェニックス感動した ポイント

胸が熱くなったポイントを列挙してきます。
- 奥野さんのオンデーズ本格加入のエピソード
- 高橋部長の商品部異動
- 勝負をかけた新店オープンの失敗
- 買収した企業の主力の裏切り
- 新店オープンキャンペーンの成功
- 東日本大震災でのボランティアを決定するまでのエピソード
- ボランティアでメガネを提供したおばあさんのエピソード
- 藤田社長を男にしてやってください。の山口常務の言葉
- 海外出店の準備での社内混乱と出店後一致団結
- 濱地さんの熱い思いとそれにこたえる田中社長
この本を読んだ方と、お酒でも呑みながら、本を片手に語り合いたい。そんな気分になります。
社長である田中修治、CFOの奥野良孝、この二人の並々ならぬ覚悟と行動力、人間性に魅力に引き込まれ、すっかりファンになりました。
あらすじとは関係ないが、とりあえず、田中さんはタバコ吸いまくりです、あるタイミングまでは、タバコをやめるきっかけのエピソードがまた泣けます。
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