ソフトバンクの孫正義氏とセブン・イレブン創業者の鈴木敏文さんには意外な共通点がありました。
それは、「孫社長のむりゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」の中にある内容と、私が、セブン・イレブンで働いている時に、徹底的に教えられたことがまったく同じ内容でした。
ソフトバンクでは、「高速PDCA」と言っているものが、セブン・イレブンでは「仮説と検証」と言われています。
一見すると言葉が違うので、まったく異なる印象をうけますが、本質的なところはまったく同じでした。
その点を含めて、「孫社長のむりゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」の感想を書いていきます。この記事は、個人の感想ですので、書籍の内容と一致するとは限りません。
僕がセブン・イレブンで働いている時に、仮説と検証に没頭していたことはブラック企業だけど、望んでいた環境に書いてありますので、読んでみてください。
目次
高速PDCAが必要な理由

なにが成功するのかは、だれにもわからない
売上を前年より150%上げるという目標があった場合に、戦略や戦術はたくさん考えられます。
でも、その戦略や戦術をやる前から、これをやれば10%上がって、これが20%でこれとこれが5%づつの底上げをしてくれるので、達成できます。
みたいな、計画を立てたとして、その数字通りにいくことなんて、ほとんどありません。
まったく結果がでないことも、よくある話です。
野球の打率と同じで、戦略や戦術、キャンペーンにも成功率というものがあります。
著名なマーケターのナイアンテックの足立さんや、LINEの舛田さんでも、3割程度の勝率です。LINEが主催するマーケター向けのオフ会「LINE Marketers Meetup」で話されていた内容です。
足立さんについて、2019年版【マーケティング入門】マーケティング初心者の必読本3選【おすすめTOP3】にも記載がある、300億円の赤字のマックを立て直した伝説のマーケターです。
参考 「圧倒的な成果を生み出す」マーケターに必要なコト 足立光氏 × 舛田淳氏impress100発100中なんてありません。だから、PDCAが必要になります。
失敗したところを修正して、やり直す、効果が出たら、もっと効果がでるように修正してやり直す。PDCAと横文字を使ってますが、ただそれだけの話なんです。
つまり、効果を上げるために修正を繰り返すことがPDCAです。
修正や改善は、早いほうがいい

PDCAを回すことは、より効果を上げるために修正を繰り返すことであると先程書きましたが、その修正の回数は多いほうがいいでしょうか?早い方がいいでしょうか?
例えば、スーパーで新商品を発売しました。入り口入ってすぐのところに、陳列をしたので、すごい勢いで売れていきます。
オープンしてから、10分程度で、あっ!という間に売り切れて、入り口の売り場に在庫がなくなってしまいました。
お店の人間はだれも、入り口の売り場の在庫がなくなっていることに気づいていません。夕方になって店長が、気づいて倉庫から在庫を出して陳列をしました。
また、飛ぶように売れていきます。
ついに、お店に在庫がなくなってしまいました。明日お店に届く注文をする時間は過ぎてしまっているので、次に商品が入るのは、明後日になってしまいました。
もっと早く売り場の商品がなくなっている事に気づいていれば、もっと早く在庫を補充できました。
もっと早く在庫が売り切れることがわかっていたら、明日お店に届く注文をする時間に間に合って、明日商品が届いていました。
PDCAは早い方が、修正が早くなり、大きな結果を出せます。
戦略や戦術は同時進行が基本?

PDCAが早い方がよいことは、わかりましたが、同時にいくつも進めることは効果的なのでしょうか?
先ほどのスーパーの例えで考えてみましょう。
お店では、入り口に置くことで、飛ぶように商品が売れていきました。このお店をA店とします。
B店舗では、レジの近くに陳列していて、在庫が残っている状況でした。
翌日から、Bお店も入り口に陳列をすることにしたところ、B店も売り切ることができました。
C店では、お客様に事前に予約をとって、お店でも入り口に陳列をしていたので、A店の3倍の販売数になっていました。
これをA店、B店、C店で、同じタイミングで異なる方法をとっていたから、翌日から一番売れたC店の方法を取ることができます。
3店舗とも同じ売り方を同じ日にしていたら、入り口に陳列することが、一番売れるという結論にたどり着くまで、何日かかるかわかりません。
レジの近くで1日→お店の中央で1日→入り口で1日と試した場合、3日かかってやっと、入り口が一番売れる!とわかります。
それでは、売り逃しが多すぎます。
上記のように、施策はできるだけ、同時にいろいろ実行することが望ましいです。
PDCAは可能な限り、早く回す!できるだけ、多くの施策を同時に実施する!
この2点が結果を最大化させるポイントです。
ソフトバンクの「高速PDCA」とセブンの「仮説と検証」

驚くことに、ソフトバンクの「高速PDCAを動かす8ステップ」と、セブン・イレブンが提唱している「仮説と検証」はまったく同じでした。
その8ステップは以下の通りです。
1.大きな目標を立てる(週、月単位など)
2.小さな目標を立てる(1日が原則)
3.目標達成に有効な方法をリストアップする
4.期間を決めて、すべての方法を同時に試していく
5.毎日、目標と結果の違いを検証する
6.検証をもとに、毎日改善する
7.一番優れた方法を明らかにする
8.一番優れた方法を磨き上げる
「孫社長のむりゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」より
このソフトバンクの高速PDCAを、セブン・イレブンの「仮説と検証」で例えると以下のようになります。わかりやすくする為に、新商品の販売で考えてみます。
ここまで、出来ている店舗やエリアは少ないかもしれないが、僕がいた当時は担当店舗での成功事例や、他の店舗の成功事例を積極的に共有して、日々改善を重ねていた。
ほとんど同じ考え方のもと、組織の戦略が行われていることがわかりました。伸びる会社は、スピードも量も多いんですね。
ソフトバンクの高速PDCAを身につけると、なにが起こるのか

店舗の話や、会社や事業の戦略、営業の方法などに対して使えるイメージはしやすいかもしれない。
でも、この高速PDCAが一番活かされるのは、個人の働き方です。
会社と決めた目標に対してPDCAを回していくことも、効果的だし、それはそれとしてやるべきなのですが、個人としてビジネスパーソンとして、将来的にどうなりたい。
数年後の自分が、どうありたいかの目標を立てる。
それに向けて、週間や毎日目標を立て、行動していく。
それが、成長のスピードを極端に早くなるので、目標を達成しやすくなります。
数年後の目標で思い出しましたが、ハッタリをかますことが、自分の覚悟を強くして行動のブースターになります。それについては夢を叶える方法?ハッタリを現実に変えるための考え方がここに凝縮されている。
毎日、なにか昨日よりも良くすることを考える

業務をすることは、当たり前です。
それは毎日の目標でもなんでもないです。タスクな訳です。
昨日よりも今日は何かを少し改善していくことを意識して、それを具体的な目標にします。
「整理整頓」をして、探す時間を短縮する
といった事でもいいです。これ机の引き出しという意味もありますし、PCのファイルやフォルダという意味でもあります。
毎日少しでも、整理整頓を進めていけば、探すという無駄な時間を削減することができます。それを削減していくことも立派な改善です。
時間ほど有益なものはありません。
毎日、小さな目標でも達成していくことは、すごく楽しいです。いつの間にか業務に没頭している時間が増えて、大きな結果が出るようになっていきます。
とにかく毎日なにか一つでも、改善していくことを心がけましょう
ただし、改善したつもりが、逆に非効率だな!ということもあります。それはそれでやってみないと気づけないことなので、経験値として蓄積していきましょう。
ソフトバンクの高速PDCA まとめ

ソフトバンクの急成長を、孫正義さんの右腕として、ささえてきた元社長室長の三木雄信さんが、ノウハウをあますところなく、公開している本書は、向上心のあるビジネスパーソンは読んでおいた方がよいです。
この記事では触れていませんが、ソフトバンクがアイデアが豊富な理由も書かれています。
「孫社長のむりゃぶりをすべて解決してきたすごいPDCA」これを身につけてワンランク高い人材をめざしましょう!
きっとこの本を読んだ後から、すぐにあらゆる改善のアイデアが湧いてくるようになるでしょう。
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