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モチベーション理論|マズローの欲求段階説をマネジメントで活用する方法

theory of needs-hierarchy

モチベーション理論について、何回かに分けて解説をしていきたいと思います。今回はマズロー欲求段階説です。モチベーション理論の面白いところなのですが、他の理論もこの理論から派生したり、進化させてる理論の展開が多いです。

そのため、このマズローの欲求段階説を理解していないと、別の理論がわかりにくくなってしまいますので、ご存じの方も、ぜひ改めて読んでみてください。

さて、働き方改革が浸透し、「早く帰れるけど、業務量が変わらない」というストレスを抱える人は、モチベーションが下がっていると思います。

逆に「早く帰れるようになって、モチベーションが上がっている」という人もいると思います。

最近の一部の会社で「社員のモチベーションには会社が関与しない」ことを提唱している説も出てきています。

そもそも「モチベーション」とはなんでしょうか?学説的な理論をもとに考えていきたいと思います。

モチベーション理論の中でも一番有名な理論が「マズローの欲求段階説(欲求5段階説ともいいます。)」です。

今回は、そのマズローの欲求段階説を解説していきます。

モチベーションとは?モチベーションの定義と理論の概要

what

モチベーションの定義とは?

モチベーションの定義は

「個人を行動に駆り立てるものは何なのか?またどのようなプロセスで駆り立てられるのか?」のこと

「個人の行動する際の動機」といえます。

モチベーションが高い人は、パフォーマンスが高く、モチベーションが低い人はパフォーマンスが低い傾向にあるのは、動機がの大きさが違うからということになります。

会社組織において、モチベーションが高い人が多い方が、パフォーマンスが高い会社になります。

たまに、「モチベーションなんてない」とか「モチベーションは関係ない」という人もいます。それは、モチベーションの高低とパフォーマンス比例しないようにコントロールできている。

という表現が正しいと思います。すこし脱線しました。

モチベーションは行動の”動機”

モチベーション理論とは?

theory

モチベーション理論は「組織目的を達成するために、個人目的をどのように結びつけていくのか?」を明らかにしようとしています。

大きく3つに分かれています。

  • 内容理論
  • 過程理論
  • 内発的動機づけ理論
内容理論

個人の行動を動機づけるのは何を明らかにする理論

代表的な理論

  • マズローの欲求段階説
  • アルダファーのERG理論
  • アージリスの未成熟=成熟理論
  • マクレガーのX理論・Y理論
  • ハーズバーグの動機づけ=衛生理論(二要因論)
  • 達成動機説
過程理論

どのようなプロセスで動機づけるのかを明らかにする理論

代表的な理論

  • 強化説
  • 高併設
  • 期待理論・・・ブルームの期待理論、ローラー期待理論
  • 目標設定理論
内発的動機付け理論

動機付け要因が人間の内部に存在するものであるとする理論

代表的な理論

  • 内発的動機付け要因と外発的動機づけ要因
  • 職務特性モデル

動機づけ理論についてはこちらの記事でも解説しています。

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たくさんに別れていますが、それぞれを知ると、確かにそう言われるとそうだな。と納得できる理論ばかりです。

理論を理解し、自分の動機がどこにあるのか?また、相手やメンバーの動機がどこにあるのか?を考えれるようになれば、正しい対応が取りやすいです。

マズローの欲求段階説(欲求5段階説)

theory of needs-hierarchy middle

マズローは人間のもつ欲求を以下のように、低次欲求から高次欲求にかけて5段階にで捉える理論を提唱しました。

マズロー欲求5段階の順番は?

in order
STEP.1
生理的欲求
植物、水、などの人間の生存に関わる本能的な欲求
STEP.2
安全欲求
安全ないし安定した状態を求め、危険を回避したいという欲求

STEP.3
社会的欲求
集団や社会に所属、適合し、そこで他者との愛情や友情を充足したいという欲求(所属と愛の欲求とも言います)
STEP.4
尊厳欲求
他者から尊敬されたい、あるいは自分が他者よりも優れていると認識したいという欲求(尊重欲求・自我欲求とも言います)
STEP.5
自己実現欲求
自己の向上、あるいは自己の潜在的能力を実現したいという欲求

この5段階になります。ちなみに、複数の呼び方があるのは、英語を訳している言葉が違うだけです。

ジャングルで暮らす5人のたとえ話

ここに、ジャングルで暮らす人物が5名います。

まず、Aは、危険なジャングルで収集感暮らし、時々食べ物や飲み水を見つけては飢えをしのいでいます。

次にBです。この人物はただ生きているだけではなく、ライフル銃を持ち、中から閉められる扉のついた洞穴の隠れ家で暮らしています。

3番目のCは上記のものを全て持つとともに、一緒に暮らす2人の男がいました。

さらに4番目のDは食べ物や隠れ家のほかに、親友と一緒に暮らしています。

そして最後のEです。この人物は上に掲げたものをすべて持ち、しかも彼は集団のリーダーとして皆から広く尊敬されています。

マズロー欲求段階説 欠乏動機とはなにか?

lacking

さらに、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・尊厳欲求の4つを「欠乏動機」としています。

この4つは自分自身だけでは解決ができない動機で、必ず自分以外のものによってしか満たされない欲求です。

  • 生理的欲求:食べ物が足りない、水が足りないからもっと欲しい
  • 安全欲求:戦争やテロ、事故・事件に巻き込まれたくない
  • 社会的欲求:会社や組織で役割があり、必要とされたい
  • 尊厳欲求:会社や組織の中で、優位であり、尊敬されたい

今日食べるものも、飲むものも、寝る場所もない人が、そんなのどうでもいいから、夢の為に努力する。なんて事はありえないと言っています。

生きるという最低条件を満たさないと次の欲求段階に進めません。

次に、食べるものや、飲むものはあるけど、家がなく寝る場所がなったり、重病にかかっていて寝たきりの状態だったりすると、それを解決することが優先されます。

次に、健康に生きていけそうだとなった時に、家族や友人、恋人、会社などの組織に属したいという他人との関わりを持つ事をもとめるようになります。

次に、自分が所属する組織の中で、尊敬されたい!認められたい!という欲求が出てきます。

という具合に、段階的に上がってきます。そして、この欲求の移り変わりは不可逆的でこの順番以外には発生しえないとしています。

マズロー欲求段階説 成長動機:自己実現とはなにか?

self‐actualization

最後の第5段階である「自己実現欲求」は非常に深いです。マズローは自己実現という言葉を以下のように定義しています。

人の自己充足への願望、すなわちその人が潜在的にもっているものを実現しようとする傾向をさしている。この傾向は、よりいっそう自分自身であろうとし、自分がなりうるすべてのものになろうとする願望といいえるであろう。

出典:人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

一言でいうと、「夢を叶えたい」欲求と言えます。

マズローは自己実現している人の共通の特徴として以下の15個あげています。

自己実現者に共通する15の特徴
  1. 現実を有効に知覚し、それとより快適な関係を保つこと
  2. 受容(自己・他者・自然)
  3. 自発性・単純さ・自然さ
  4. 課題中心的
  5. 超越性ープライバシーの欲求
  6. 自立性ー文化とかんきょうからの独立、意志、能動的人間
  7. 認識が絶えず新鮮であること
  8. 神秘的経験ー至高経験
  9. 共同社会感情(共同対感覚)
  10. 対人関係(少数との深い結びつき)
  11. 民主的性格構造
  12. 手段と目的の区別、善悪の区別
  13. 哲学的で悪意のないユーモアセンス
  14. 創造性
  15. 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

ここから先は学術的で哲学的な部分が多いので、省略します。

自分の才能や能力を把握したい方はこちらの記事もどうぞ

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マズローの欲求段階説(欲求5段階説)のマネジメントへの活用例

how to use

では、欲求段階説をどのように会社で使えばいいのでしょうか?参考に、僕がマネジメントの時に考えていることを共有して終わりたいと思います。

マズローの欲求段階説は不可逆とされていますが、現実には社会的欲求、尊厳欲求、自己実現欲求は共存しうるもしくは、行ったり来たりすることがある!と考えています。

社会的欲求が不安定になるケース

社会的欲求は、所属している、求められているという欲求ですが、これは部分的に崩れやすいです。例えば、

恋人と別れた。友達と喧嘩して気まずい。夫婦喧嘩。借金による関係の崩壊。急病、事故による相手が他界する。

  • 恋人と別れた
  • 友達と喧嘩して気まずい
  • 同僚の転職
  • 夫婦喧嘩
  • 急病、事故による相手が他界

といった事で、所属していた組織が部分的に崩壊することがあります。その変化に気づいた時にマネジメントができることは2つです。

  1. 相手に私のチームでは必要であることをより強く実感させる
  2. 異なる視点や考え方を提供する

1つ目は、役割を増やしたり、他のメンバーからのコミュニケーション量を増やしたりして、所属している意志を強めるように働きかけます。

2つ目は、社会的欲求が一つ崩れると視野が狭くなってしまいます。というのも、事実に対して、自分の気持ちをネガティブに捉えてしまっているからです。多くの場合、事象が起きた時点で思考が止まっているので、前を向いて歩くことを提案します。

尊厳欲求が不安定になるケース

尊厳欲求は、誰かにバカにされたり、競争に負けてしまった時に崩れてしまいます。

この時にマネジメントとしてすることは2種類あります。これは相手によって変えます。

もともとプライドが高いキャラクターへの対応

  • 相手の比較を軸に、尊厳欲求を再度獲得するために、何をしなければいけないか?そのチャンスはいつで、その時にどうなってたいのか?を考えさせます。

もともと自信がないキャラクターへの対応

  • 相手との比較ではなく、絶対評価として上司のフィードバックをポジティブにします。相手と比較せずに、ただただ、今回の結果や状況に対しての改善策を聞きつづけます。この時、上司である自分が思っている回答が出てくるまで、ヒントを出しながら、考えさせます。

基本的には自信がないキャラへの対応をしてけば無難です。

自己実現欲求が不安定になるケース

これはむしろ、安定しているケースが少ないように思います。

自分のやりたいことが見つからない!わからない!と言っている人は本当に多いです。

それに対する明確な回答はありませんが、僕が言うことは1つです。

  • 将来の選択肢を広げるための行動をとった方がいい。と伝えます。

今は夢や、やりたいことがなくても、それが見つかった時に、それを選べる状態にしておくことを話します。

やりたいことが見つかった!この会社に入って、その仕事がしたい!でも、自分探しに悩んでる間、努力をサボってしまったから、その会社には入れるスキルや実績がない状態にならないように、努力をしましょう。

将来、今は想像もできない夢がみつかったとしても、今、頑張っていることは、ヒントや価値になる時がくる可能性があるから、手を抜く事はしない方がいいよ。未来への自分のプレゼントだと思って頑張ってほしい!やりたいことがなくても、やらないといけないことや、やってほしいことはある。だから、それに集中してほしい。と話します。

マズローの欲求段階説(欲求5段階説)まとめ

lastly

モチベーションは、”行動の動機付け”

生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→尊厳欲求→自己実現欲求の順番で欲求のレベルが上っていき、不可逆である

というのが、マズローの欲求段階説でした。

僕の解釈や対応が参考になるかどうかわかりませんが、この記事から、自分なりの対応やマネジメント方法がみつかると、嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献


人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

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