書評『THE TEAM 5つの法則』要約・レビュー 著:麻野耕司 第1章・第2章

THE TEAM 5つの法則

「すべてのチームがこれで変わる!」

著者の麻野さんが、書籍にサインと一緒に書いているメッセージです。

リンクアンドモチベーションの取締役、兼、Vokersの副社長 麻野耕司さんが、書いた「THE TEAM 5つの法則」の中で、チームを科学的に分析し、今までの感覚的なチーム運営ではない、新しいチームづくりを提案しています。

麻野さんは役所広司さんがCMをしている「モチベーションクラウド」を立ち上げた「チーム」のリーダーでもあります。麻野さん自身がこのチームの法則が有益であることを実証済みです。

チームという表現を使っていますが、以前は「組織」という表現を使っていました。2015年にPHPビジネス新書から次のような本を出版しています。

 

この本はどちらかというと、組織の”負”の側面を改善するために書かれている内容でした。

今回の「THE TEAM 5つの法則」は、組織の負の側面を改善するのではなく、現在の経験や精神論のようなあいまいなものではなく、体系的でロジカルな、どんな組織にも適用できる「5つの法則」について書かれています。

これまで、リンクアンドモチベーションであらゆる企業のコンサルティングをして、組織、チームを変えてきた、麻野さんが出した現時点でのチームづくりの答えが凝縮されている1冊です。

この書籍は、経営者には、今のチーム運営が正しい方法かどうかの答えあわせにもなり、メンバーには、果たすべき明確な役割がわかるようになります。

その2つがリンクすれば、チームは活性化されて最高のチームになっているでしょう。

書籍の内容にも触れながら、個人が得た学びと感想の記録です。書籍の内容とこなる部分もあります。

「THE TEAM 5つの法則」に興味がある方には、シフト管理や休日管理を一切していない会社の生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方もオススメです。

THE TEAM 5つの法則 
第1章 Aim(目標設定)の法則[旗を立てろ!]

THE TEAM 5つの法則 チームとは

チームとは?

本のタイトルになっている「チーム」という言葉の定義からみていきましょう。

共通の目的を持った2人以上のメンバーがいる集団

THE TEAM 5つの法則 著:麻野耕司

学術的な組織論では、「組織」は「共通の目的を持った2人以上の集団」と定義されています。チームと組織は同じ意味になります。

では、チームとグループの違いはどんなところにあるのでしょうか?

チーム(組織)とグループ(集団)の言葉の定義はすこし違っています。

チーム=組織:共通の目的を持つ
グループ=集団:共通の目的がないor設定していない

グループ(集団)が共通の目的を持つと、チーム(組織)として成立することになります。

チームワークについてはチームワークの良い職場の作り方・社会的手抜きの原因と対策にもありますので、ぜひ読んでみてください。

THE TEAM 5つの法則 目標の立て方

3種類の最適な目標

共通の目的・目標の設定について、3種類の目標があることが書かれている。

最上位の抽象的目標
意義目標
メンバー全員が納得できる大きな抽象的目標
具体的な目標
成果目標
意義目標に数字を入れて具体化した目標
日々の行動指針となる目標
行動目標
具体的な目標を達成するために、1日でなにを、しなければいけないかを明確にした目標
行動目標を追いかけて、達成し続ければ、意義目標を達成できると信じて迷いがなくなる

どうして、3つも目標があるのか?どれを設定すればいいのか?

意義目標と成果目標は設定が必要です。

目標が3つある理由は、1つのチームの中でも、メンバーのレベルは異なります。メンバーの意識のレベルにあわせた目標を設定する必要があるからです。

3つの目標はメンバーが、迷わないように導く、道標です。

  • 意義目標・・・なんのために、働いているのかを明確します。
  • 成果目標・・・意義目標に近づいているのか、進捗を把握するために明確にします。
  • 行動目標・・・成果目標を達成するために、毎日なにをすればよいかを明確にします。

意義目標だけだと、抽象的なので、日々なにをすればいいのかわからないメンバーが出てきます。

成果目標だけだと、数字を作ることが目標になってしまい、本来達成したい意義を果たせない可能性がでてきます。

行動目標だけだと、行動することだけが目標になってしまい、成果にも意義にもつながらない可能性もあります。

3つの目標を設定することで、意義を達成するための、指標となる成果が見えるようになり、行動することができるようになります。

THE TEAM 5つの法則 リーダーの役割

リーダーの役割-2

リーダーはメンバー個人のレベルにあわせて、意義目標、成果目標、行動目標のどれを重視して考えさせ、行動させるかを変えないといけません。

昔、尊敬する上司に言われた言葉を思い出しました。

「部下が思うように、動かないのは、全部、責任者である、お前の伝え方が悪い!と思え」

コンビニの店長時代に言われたことがありました。アルバイトやパートは時間給なので、行動目標だけが目的になりやすいです。

でも、それではいいお店にならないです。その当時のエピソードはブラック企業だけど、望んでいた環境に書きました。

意義目標と成果目標、行動目標がつながっていて、行動目標を達成すれば、成果目標が達成できる!

成果目標が達成できれば、意義目標が達成できる!という考え方を伝えないと、メンバーは集中して行動してくれません。

メンバーがそれぞれの目標をまっとうすれば、最終的なゴールが達成できる!

共通の目的が達成できる!と心から信じれる状態にすることが、リーダーの役割です。そのために、最適な目標を設定し、説明をすることがリーダーの役割なのです。

第1章の具体例
「新幹線お掃除の天使たち」
「サッカー日本代表南アフリカワールドカップ ベスト16」

第1章で考えさせられたこと

目標を3段階にとらえることで、目標自体の役割が明確になり、目標を設定しやすくなりました。

3つの目標を設定することで、何のために、どういう効果があるから、なにをしなければいけないのかが説明しやすいです。

「共通の目的」を達成に向けての行動がしやすくなります。

メンバーがどのレベルの目標で動けるのか?を見極めるチカラが必要です。

意義目標を達成するために、時にはブレイクスルーが必要な時があります。意義目標だけを設定すれば、ブレイクスルーが起きやすくなりますが、なにをしてよいのかわからないメンバーが出てきます。

意義目標だけでは動けないメンバーをいかに、行動目標を達成させ、成果目標だけでも、動けるヒトに成長させる。

成果目標で動けるようになったら、次は意義目標で動けるようにする。

メンバーの成長は適切な目標設定が推進させます。つまり、適切な目標がチームの成果の大きさを左右することになります。

リーダーがメンバーに伝えることは【社会人の常識】新卒・新入社員に話すべき4つの心得に書きましたので、読んでみてください。

THE TEAM 5つの法則 
第2章 Boarding(人員選定)の法則[戦える仲間を選べ]

THE TEAM 5つの法則 誰をバスに乗せるか?

つぎとまります。

採用の失敗は他のどんな施策でも挽回することはできない

THE TEAM 5つの法則 著:麻野耕司

世界的に成功した企業を徹底的に分析した、世界的なベストセラー「ビジョナリー・カンパニー」にも、ヒトの重要性は語られていました。

採用でチームにマイナスの影響を与えるヒトを入れてしまうと失敗してしまいます。プラスの影響を波及させるより、マイナスの影響が侵食していく、速度の方が圧倒的にはやいからです。

マイナスな影響を与えるヒトは最初からバスに乗せない!

つまり採用しない!ことが重要です。

プラスの影響を与えるヒトやマイナスの影響を出さないヒトを採用しましょう。

私がセブン-イレブン・ジャパンで初めて採用する権限をもった時に、上司に言われたのは、

「採用は絶対に妥協するな!
ひとりでも妥協して採用すると
お店づくりも妥協せざるおえなくなるぞ!」

実際にこの掟を破って、何度か採用してしまったことがありました。

シフトが足りなくて、「妥協はしてない!」と思い込んで採用をしてしまったのです。

最初は問題はありませんでしたが、その人が仕事に慣れはじめた頃から、一緒にシフトに入っているヒトからの苦情や、ずさんな仕事ぶりが目立つようになりました。

採用してしまい、仕事もある程度覚えているし、この時間帯が抜けるとまた採用するのもしんどいし、辞めてもらうこともできないという、選択をすることになります。

そうなると仲裁やフォローに時間コストばかり取られて、お店の改善が全然進みません。プラスの取り組みができなくなってしまいました。

何度かそういうことを経験し、アルバイトですら、そういった状況だったので、それ以降の正社員の面接をするようになってからは、一切妥協せずに採用するようになりました。

僕の経歴や経験に興味がある方は、新卒で就職した会社から、転職した理由にも書いてありますので、読んでみてください。

日本の法律は雇われる側が守られる法律なので、一度採用すると簡単にさよならはできません。だからなおさら、誰を乗せるか?をよく見極めないといけません。

一時的に元気がなくなっているヒトへの対策はモチベーション理論|マズローの欲求段階説をマネジメントで活用する方法を読んでいただければ、対策は万全です。

THE TEAM 5つの法則 チームによって、必要なヒトは違う

case by case-2

ここまでは、人間性というヒトとして、本質的な部分での話だったと考えていただき、ここからは、スキル・経験・知識という、結果に直結する部分を解説していきます。

環境変化の度合い×人材の連携度合い

この本を読んで面白いと思ったポイントの一つがこれでした。

チームのタイプを4つに分けています。

  1. サッカー型
  2. 野球型
  3. 柔道団体戦型
  4. 駅伝型
  • 環境変化の度合いが高い=体が触れるスポーツ・・・サッカー、柔道
  • 環境変化の度合いが低い=体が触れないスポーツ・・野球、駅伝
  • 人材の連携度合いが高い=連携が必要なスポーツ・・サッカー、野球
  • 人材の連携度合いが低い=連携が不要なスポーツ・・駅伝、柔道

2つの軸をつかって4つにチームタイプを分けて、それぞれに必要なヒトのタイプが異なると定義しています。

第2章で考えさせられたこと

社会で勝つために必要な戦力は、現在チームに所属するメンバーによって、変わります。

  • 同じような能力を持っているヒトが多い方がいいのか?
  • 違う能力を持っているヒトが多い方がいいのか?
  • コミュニケーションが多い方がいいのか?
  • コミュニケーションは少なくてもいいのか?

ヒトは流動的に変わる方がいいのか?固定されたほうがいいのか?

チームのタイプにあわせて答えが変わるので、「コミュニケーションは多い方が良い」などの一般論に惑わされてはいけないです。

業界で、チームで設定した共通の目的を達成するために、有効なチームのタイプが、どのタイプなのか?

もしくは、どのタイプと、どのタイプの中間にあるのか?によって必要な人材の配分を変えないといけないことがわかります。

目標を達成するために、同質性と異質性のバランスを意識したチーム作りをしなければいけない。

この章の具体例は
「AKB48のCD売上枚数記録 女性アーティスト歴代1位」

THE TEAM 5つの法則 第1章・第2章 まとめ

第1章・第2章 まとめ
第1章と第2章で考えたこと まとめ
  • 目標は3種類ある
  • 3つの目標は繋がっている
  • メンバーのレベルを把握し、メンバー毎に集中する目標を変える必要がある
  • チームのメンバー選定は重要
  • 一般論に惑わされないで、チームが戦っている場所・目的で判断する
  • 業界で勝つために、とるべきチームのタイプを理解する
  • チームのタイプにあったヒトを採用し、運営する

組織運営については、モチベーションマネジメントも関連が深いので、参考にしてみてください。